遅刻の帝王の部屋 : イベントレポート : バースデイライブ 2000 Version 2

菊池志穂 バースデイライブ 2000 レポート

Version 2

このレポートは、ライブ中に必死でメモを取ったものをもとに作っているものです。 先日、ライブをビデオ撮影したものを見ることが出来ましたので、 それを元にアップデートいたしました。

なお、オリジナルバージョンは こちら です。


菊池志穂 Birthday Live
万歳都市東京菊池志穂密着2時間!? 今夜アナタは目撃者!

Date  2000/5/6 (Sat)
Place 渋谷Egg-man
Open  18:30
Start 19:00
Guest 山咲トオル
      KAORI
      藤原一晴

曲順
 1 ビタミン不足
 2 手紙
 3 Dream Child
 4 ハルジオン
 5 アイタイ
 6 スカートのポケット (山咲トオル)
 7 星のさよなら       (山咲トオル)
 8 eye
 9 しかく
10 〜across           (with KAORI)
11 lament             (KAORI)
12 おんがく
13 スモールライフ
14 君のその手を       (藤原一晴)
15 replay             (with 藤原一晴)
16 丘の上に行こう
17 きみとぼくのうた   (with all guests)

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 1 ビタミン不足

「イエーイ、こんばんは、菊池志穂です。28になりましたー。
  いやあ、早いもんで、バースデイライブもこれで3回目となりました。そして、
今世紀最後のバースデイライブ、ミレニアムということで、ステキなライブに
したいと思います。そう言えば、去年もバースデイライブの日に電話がかかって
きた子安さんから、今年も留守電が入っていて、『おめー、ミレニアムなんて、
今ごろそんなこと言ってんじゃねーよ』って言われちゃって。」

  今日の衣装の説明をする志穂さん。

「恒例の、上から下まで菊池さん手作り衣装で。靴は違うけど。あ、裾に刺繍
入っているけど、刺繍はあたしじゃないよ。」

と言いながら、ステージ上でポーズをとる。衣装の説明は、言葉では非常に難し
いが、イメージは「きんちゃく」といったところだろうか。
  後ろの方から「見えない」という声がしたので、

「見えない? いいよ。」

と、いきなり椅子に上る。

「山ザルぶりも、あいかわらず健在で。
  今回はゲストが盛りだくさんです。あたし、自分でセッティングしといて気が
付かなったんだけど、3という数字が好きで、今回3回目でゲストが3人、(ステー
ジの)メンバーも3人。これで客も3人だったらどうしよう。ま、3人でもやるけれ
どね。
  最初に言っておきますが、今日はアンコールがこざいません。」
「えー。」
「絶対言うと思った。きっと、『笑っていいとも』に出ていたら、こんな気持ち
なんだろうね。
  今1曲歌っちゃいましたが、あと16曲もあるのよ、実は。だからみんな、あと
16回死ねるってことよ。前の人たち、座っている場合じゃないって分かってる?
途中で死にたくなったら沈没していてください。まあ、そんな感じで、みんな
一丸となって、やっていきたいと思います。
  ゲストはどこで出るかわかりません。さっき、リハーサルしたけどね。」

  ここで、飲み物を飲む志穂さん。例によって、客席から「ヒュー」という歓声
と共に拍手が起こる。

「キクチのライブに初めて来た人? 嘘つくなよー。キクチのライブでは、あた
しが飲み物を飲んでいる間に、みんなに勝手に盛り上がってもらうことになって
います。」
「何の飲み物?」
「ポカリスエット。」
「また、ステビア?」
「違うよ、今回はちゃんとブルーの。」

と、わざわざ袋から出して見せる。

「・・・こんなに喜んでもらえるなら、大塚製薬、私もCMに使ってくれればいい
のに。」

  そして、枠がオレンジ色のタンバリンを取り出し、

「今回は菊池さん、タンバリンデビューです。みんなが盛り上がってくれれば、
間違えていても聞こえないから、よろしく。
  1曲目歌ったの、『ビタミン不足』ね。言うの忘れちゃったけど。28になって
おばさんくさくなった。」

 2 手紙

「さあ、盛り上がってまいりました。みんな、うんとこさ汗をかいて、帰ってく
ださいね。
  ちょっと、前、何で座っているの。おやじばっかり? おやじは4号までで足り
ているんで、あまりこれ以上は、いらないんで。入りたい人は・・・まあ、いい
や。」

 3 Dream Child

「というわけで、3曲聞いてもらいました。
  あらためて、菊池志穂28歳です。
  今年もこうしてライブが出来るので、すごく幸せです。
  去年、あたしもいろいろ変わって、バンドのメンバーは替わらないけど、スタ
ッフは変わったりして。あたしがエイティーワンに入ったとか。知らない人も
いるのかな?
  それでね、レギュラーが1本決まったんですよ。おととい収録があって、事務所
からすばらしいバースデイプレゼントをいただきました。
  NHK教育テレビの『ぼうけんメカラッパ号』という人形劇なんですよ。あたし
がシジミちゃんって役で、5話かなぁ? あいかわらずいい加減なんですけど、出
てくるはず。もう、番組自体のオンエアは始まっています。あたし見たもん。あ、
半場さんだ、松山さんだ。あ、あたしこれに出るんだ、って。だから、6月ぐらい
から出るかな。この番組って、放送が朝なんだよね。あたしは見れないかな。
  この辺に、3・4歳の子が来るライブになってくるとうれしいな。みんなおやじ
だけど気持ちは幼児体型のままだから。『君たちオヤジーズ』ってことで。おや
じ、自慢になんないよ。」

  この辺でアルバムの話に戻る。

  「去年、『I』というアルバムを出したんですけど、・・・レコード会社はや
めちゃったけどね。その中から、前に2曲歌って、このあとまた2曲歌うんだけど
さ。
  次に歌う『ハルジオン』、タイトルを言うと、いまだに『薬の歌?』って聞か
れるの。『ハルジオン』だっつーの、花の名前だっちゅーの。
  余談ですが、スタッフに『ハルジオン』の説明をするために、1人でロケハン
したの。仕事終わったあとだから、どうしても近場の公園になっちゃって、どこ
行っても見つからないで。『都会は砂漠だよ、母さん』って。
  今回、ライブのリハーサルに行く道すじに、大量のハルジオンを見つけて、
『まじかよ、ここ来ればよかった』って。作った時は、かわいいなって程度だっ
たけど、歌ってみていやに目に付くね。」

  今度は、ハーモニカを取り出す志穂さん。

「ハーモニカデビューは、もうしてます。円盤の中で、ハーモニカソロで吹いて
います。ぶっつけ本番で、まあいいからいいからって言われて。
  まあ、今日もがんばったよ。がんばるよ。」

 4 ハルジオン
 5 アイタイ

「もりあがってるねー。『ハルジオン』と『アイタイ』は、あたしの中の恋愛3
部作の2部かな? 3曲目は今作っているんだけど、うまくいかないのさね。」

  セッティングが終了した時に、

「グーかしら? じゃあ、次の曲へ。」

と、いきなりセクシーになっていたのだが、やはり28になってアダルトになった
ということなのだろうか。

 6 スカートのポケット

  志穂さんが歌うと見せかけておいて、ステージ上に登場した山咲トオルさんが
この曲を歌った。一部、志穂さんとのデュエットも披露していた。
  トオルちゃんは、ステージ上で志穂さんにお花を渡していたのがとてもかっこ
よかったのだが、歌い終わると

「ちょっと、あんたたち。」

と、いつものトオルちゃんに戻っていた。

突然、思い出したように、

「菊池志穂ちゃん、お誕生日おめでとうございます。」

と、「ハッピーバースデイトゥーユー」の歌を歌うトオルちゃん。みんなも一緒
に歌ったのだが、歌い終わったら、トオルちゃんに

「ちょっと、あんたたち。手拍子は上手だけど、歌は下手ね。」

と言われてしまった。

トオル「ちょっと、あたくし自己紹介しないといけないわね。
        あたしは、世のチマタの間では、売れない演技力の無いオカマ声優と
      思っている方がたくさんいると思うけれど、違うのよ。ホラー漫画界の
      貴公子、オカマの王子、あなたたちのカリスマ、素股漫画家、山咲トオル
      でございます。
        そうそう、この中でタコライブに来てくださった方、いらっしゃるの
      かしら。
        ・・・まあ、こんなたくさん。キチガイが。」
志穂  「そうよ、みんなキチガイよ。あたしは違うわ。」
トオル「志穂ちゃん、今日は、バースデイということで、初めてお化粧して出ま
      した。」
志穂  「もちろん、トオルちゃんにメイクしてもらって。今日の出演者は、全員
      トオルちゃんのメイクです。」
トオル「そうなの。
        今日は、久しぶりに殿方の前でお歌を歌えて、うれしいわ。ちょっと
      だけ菊池志穂のことを忘れて、あたしとラブしてくださる? アコムじゃ
      なくてプロミスしてくださる?」

と、客席にプロポーズする。

トオル「あんたも28になったんだから、wish、願い、誓いを立ててみてくださら
      ない?」
志穂  「結婚したい。」
トオル「まあ〜。相手はいるの?」
志穂  「男がいたら、誕生日にライブなんてしないって。今年もいないから、
     ここに来ているのね。」
トオル「大丈夫、あたしもいないから。」

ふと時計を見ると、

トオル「あらやだ、『5分しゃべるつもりで10分で終わってね』って言われて
      いるのに、もう20分たっちゃったわ。
        ちょっと志穂。あたし、あんたの歌で、好きな曲が2、3曲あるの。」
志穂  「何?」
トオル「あんたがエンディングで歌っている曲、そう『スカートのポケット』ね。
      『きみぼく』も好きなんだけど、あと『丘の上に行こう』って曲も大好き
      なのよ。」
志穂  「じゃあ、ちょっと歌ってみてよ。」

  トオルアレンジバージョンで、「丘の上に行こう」のさわりを歌う。

トオル「それとね、『リプレイ』も好きよ。」
志穂  「『リプレイ』も歌ってみて。」

  トオルアレンジバージョンで、「リプレイ」のさわりを歌う。

トオル「今日から『ワカメ汁』って歌にしよう。
        あと何がいい? 何、歌ってほしい?」
志穂  「もういいから。
        ・・。そのたくさんの中から、『スカートのポケット』を選んでくれ
      たのね。」
トオル「そうなの、でも歌詞間違えたわ。・・・見て、これ (歌詞カード) に
     書いているのに、間違えているの。
       ポケットの中から、ビスケットが4枚。(と歌い出す)
       転校してくる彼の気持ち、分かるわ。あたしも、スカートはいてみたか
     ったわ。」
志穂  「はいてみたかったんだ。」
トオル「志穂ちゃんはね、風邪ひいちゃって大変だったのよね。風邪薬と喉の
      薬を飲まないと、って言っていたものね。」
志穂  「トオルちゃんは抗生物質好きよね。ラムネみたいに飲んでたもんね。」

  あと、トオルちゃんがステージ上から志穂ファンの女子を発見して喜んでいる
ところへ、志穂さんから

「そこはカップルなんでね」

と説明が入ったりして、

トオル「それじゃあ、ここで、あたくしのオリジナル曲を1曲、歌わせてもらい
      ます。」
志穂  「1人でやってて。じゃああたし、その間に (渋谷公会堂でやっている) 
      椎名林檎に行って来るから。」

と、志穂さんはステージ上から出ていってしまい、トオルちゃんだけが残ったの
だった。

 7 星のサヨナラ

トオル「というわけで、あたくしのコーナーは終わりです。」
客    「えー。」
トオル「じゃあ、あたしこのまま『Dream Child』歌わせてもらうわ。」

  そして、入口でトオルちゃんの顔がプリントされたTシャツと、「Happy Song」
というアルバムが売っていることを告知すると、

トオル「それじゃあ、みんなで志穂ちゃんを呼びましょう。せーの。」
客    「志穂ちゃーん。」

トオルちゃんと入れ替わりに、志穂さんが暖色系の衣装に着替えて、ステージ上
に登場。

「さあ、魔物が帰ったところで、しっとりと衣装も変えて。菊池志穂のライブ初
の試み、衣装替え。
  この間、2月の・・・違うわ、TAKE 2。この間、4月2日にファンクラブのイベン
トでもギターを弾こうということで練習して、アルペジオが出来るようになった
ので、せっかくなのでライブでもやろうということで、・・・練習したりしなか
ったりだったりするんですが。」

 8 eye

ピアノの前に座る志穂さん。

「さあ、新曲だ。
  最初に言っとくけど、練習する時間全然無くって。でも、鬼のしんちゃんに
弾くんだ、って言われたんで、弾くわ。ハーモニカも久しぶりだったけど、人前
でピアノを弾くのは8年ぶりだから。失敗しても初お披露目だし、まあ、初めての
出来事を見られるということで。
  『eye』の方でも少し作曲をしたんですけど、ちゃんと自分で作詞作曲をした
2番目の曲ということで。今度作っているやつにはテーマがあって、『些細な日
常』という感じなんですけど。」

 9 しかく

「ありがとう。もっと練習するね。
  ・・・ちょっとしゃべり方がトオル節になっているんだけど、移るのよ。電話
していると、あたしがあたしじゃない感じがしてきて・・・まあ、そんな感じで
す。
  さて、ここでメンバー紹介をしておこうかな?
  去年と位置が逆です。あたしたち、みんな子年生まれなんで、『チューズ』と
っていうバンドなんです。」

と、「中年その1」ギターの江口正祥さんと、「中年その2」キーボードの伊藤
真太朗さんを紹介し、

「そして、恋人募集中、菊池志穂です。」

と言うと、場内は大いに盛り上がるのだった。

「さあ、みんな座っている場合じゃなくってよ。ゲストの登場よ。KAORI!」

「ちょっとあんたたち。」

と、トオルちゃんのマネをして、KAORIさんが登場する。

KAORI「みんな盛り上がっているかい?
       最高ですね。盛り上がっているか〜、イエー。みなさん元気ですか。よく
     見る顔ぶれがそこらに点在していますが。」
志穂 「KAORIとは、『スカートのポケット』発売の時に、あたしがKAORIのラジオ
     に行って。」
KAORI「そうそう。」
志穂 「その日のうちに仲良くなってから、1年ぐらいあっていなくて。」
KAORI「何で、一日でめっちゃ仲良しになっちゃうかなあ。」
志穂 「それで、最近も一緒に大戸屋行ってごはん食べているの。」
KAORI「安いな〜。」
志穂 「それか、センター街の恋文食堂でね。」
KAORI「でもマックで食べるよりも健康的よ。」
志穂 「あたしたち、ちゃんと健康のこと考えているの。」
KAORI「でも、あたしコンビニ好きよ。何時間もいられるの。」
志穂 「あたし、店員の目が気になって。コンビニで何が好きなの?」
KAORI「アイス。」
志穂 「あたしもチョコジャンボモナカ好き。」
KAORI「ジャンボチョコモナカだっけ。」
志穂 「・・・引いているよ、客が。」
KAORI「男の子には分からないかもね。」
志穂 「みたいな話も大戸屋でしているの。」
KAORI「あたしたち、色気より食い気だから。」

と、ステージ上で世間話で盛り上がる2人だった。

志穂 「そろそろ曲の話をしないと。
       なんで今日KAORIがここにいるかっていうと、会社関係無しにやっている
     ので、いろいろな人と音楽活動をしたいなってことで。」
KAORI「そうなの。」
志穂 「次にやる曲は、あたしが『もしもし、KAORI? 曲書いて』って電話して
     呼び出して。」
KAORI「あたし、初めてギターで曲作った。」
志穂 「そうなんだ。そこにあたしが、1時間で詞を書いて。たまたまあたしが、
     ノートに書いてあった言葉が曲にはまって1番が出来て、その日のうちに2番
     が出来て。」
KAORI「すばらしいわ。」
志穂 「タイトルは、『〜across』って言います。」
KAORI「マクロスじゃないよ。」
志穂 「アフロン?」
KAORI「アフロンなら毛糸洗いに自信があります〜。」
志穂 「4人でやる時は、バンド名は『アクロス』っていう名前にしようねって
     決めてあったの。」
KAORI「『ナインペタンズ』っていうのもいいかな?」
志穂 「楽屋でさんざん言われたもんね。」
KAORI「(志穂に) 合わせてへこませてきたわ。」
志穂 「何を〜。無いさ加減なら負けないわ。・・・争ってどうする。
      『アクロス』ってのは向こう側へってことで。すいません、英文科卒なの
      に辞書引きました。あたしもKAORIも新しいラインを超えていくからって
      ことで、よろしくお願いします。
        今日のライブ、何かおかしい〜。」

10 〜across

志穂 「どんな感じ? 夏らしい?」
KAORI「春らしい?」
志穂 「やって来るよ、夏が。」
KAORI「じゃあ、水着着てくる?」
志穂 「水着なんか着るもんか。違うの、あたし今日きばって短いスカート履いて
     こようかと思ったら、(左のひざを指して) ここにタンバリンアザが出来て
     いるの。」
客   「見せて〜。」
志穂 「見せるもんか。
       それじゃあ、あたしは修理があるので。」
KAORI「修理するんだ。」
志穂 「そうよ、あたしはアンドロイド。歌の下手な。」
KAORI「今日ただゲストで来るだけかと思ったら、なんとあたし、告知があるの。
       いい?」
志穂 「いいよ。」
KAORI「5月27日に東大の学園祭に呼ばれまして、出ることに決まりました。五月
     祭のアニソン同好会のステージで・・・何で笑うんだよー、一応、仕事なん
     だから。」
志穂 「一応なんだ。」
KAORI「こんな素晴らしい場を与えてくれたんだから。まあ、みんなの好きなジャ
     ンルの歌を歌わせていただくので、楽しみにしていてください。入場無料な
     ので、遠距離の方は電車賃がかかるけど、その先はお金かからないので、
     みんな来てください。」

ここで、KAORIさんがオリジナル曲を歌うということで、志穂さんはいったんス
テージ上からいなくなるのだった。

11 Lament

この曲では、しんちゃんのギターの弦がいきなり切れるというトラブルがあって
やり直しになったが、無事に終了。

KAORI「このあとも、じっくり志穂ちゃんのライブで楽しんでもらいましょう。
       姫〜。」

と言うと、KAORIさんは退出する。

入れ代わりに志穂さんが、再度衣装替えをして登場。今度は、「5 DAYS WEEK」
というロゴの入った黄色いTシャツにGパンという、ラフなスタイルになっていた。

「さあさあさあ、そんな感じでね、どうよ?」
「最高〜。」
「でも、あっという間に半分以上来ているのよ。時計を見てびっくり。
  いつの年にも無く、って言っても3回しかやってないけど、楽しく緊張している
ね。でも、あと盛り上がるしかないからね。
  さっきも話したけど、『しかく』とあともう1曲作ったんですよ。それをお披露
目しようと思うんだけど、あたしにはすごい野望があって。」

と、ソプラノリコーダーを取り出す。

「縦笛デビューするんだけど、あ、ソプラノです。それはそれは、あたしが幼
稚園の時なんで、かれこれ15年前なんですけど、クラスであたしだけ白い笛で、
小学校6年間中学校3年間、ずっと黒い笛にあごがれてね。
  で、この曲には、笛を吹くところがあるですよ。そこを覚えて、みんな鳴り物
持参で、昔の箱とかを探して縦笛を持ってきて、これからのライブで合奏団よ。
  まあ、大盛り上がりになること間違い無しの、シンプルな曲です。作詞作曲を
キクチがしました。」

12 おんがく

この曲の頭でメトロノームを鳴らしたのだが、曲が始まってから、それを止めに
懸命にしんちゃんが走っていた。

「素晴らしいね。いずれみんなで、ライブの度に、楽器なら何でもいいや、鈴
でもトライアングルでもタンバリンでもいいや。」
「メトロノームは?」
「メトロノームは、走っちゃうからダメ。
  とにかく、みんなで参加できる曲にしたいなと思います。まあ、今後ライブを
やるかということにもよるけど。・・・やるよな、多分。
  たぶん、9月30日までには手作りアルバムを完成させるので、それに合わせて
ライブをやりたいなーと。ちゃんとチラシ読んだ? おやじ4号が、死ぬ思いで
作ったチラシだよ。頑張って読んでくれ。
  今回のCDは、キクチが自分の手で作るので、お金を積んでスタジオ取ってレコ
ーディングしてCDプレスしてもらってジャケット撮ってもらって。CD-Rじゃ焼か
ないよ。500枚くらいは焼こうと思っているからね。発売する場所が、ファンク
ラブとホームページの通販のみとなります。まあ、他にイベント会場とかでも
販売するかもしれないけれどね。
  今日まではライブのことしか考えられなかったけど、これから、今日歌った
新曲の他に、さっき言った3部作を作ったり、作曲していると思います、多分。
新しい、シンプルなCDをお届けしたいと思っているので、楽しみに待っていて
ください。」
「価格は?」
「予定の価格はチラシを読め。
  とにかく、いい物を作ろうと思います。」

  ハーモニカを取り出して、

「さて、新曲です。4月2日のライブではギターを弾いたんですけど、本当はハー
モニカを吹きたくて作った曲なので、これはあんまりうまくないんですけど、ハ
ーモニカの音が好きなんで、みんなに聞かせたいなと思います。
  今日のライブとかゴールデンウィークとか、小さな出来事が重なって、菊池
志穂が出来ているので、小さな足下の幸せを見てという曲です。この曲が、次の
アルバムのコンセプトになります。」

13 スモールライフ

「話したいことはたくさんあるけど、(今日のことで) 3日からわくわくしてたん
で、全部吹っ飛んだ。とにかく、あたしの伝えたいことの歌を、がんばってそう
いうところで伝えていきたいと思います。
  さあさあ、お立ち会い。最後のゲストだよ。この男、遅刻しやがって。マジで
ぶっ殺す。あたしが歌ったりステージに立ったりする上で、キーパーソンになっ
てくれたあたしのマブダチで、藤原一晴です。」

「ちょっと、あんた。」

と、トオルちゃんのマネをして登場する一晴さん。

志穂「この男、しゃべるとイメージが崩れるから。早く歌に行って。」
一晴「しゃべらせろって。」
志穂「紹介はあとにしますので、本当に素晴らしい彼の歌を聞いてください。」
一晴「遅刻しているから (扱いは) こんな感じっす。今日歌わせてくれるって
    言うんで。じゃ、早いもんで最後の曲になってしまいました。しゃべれない
    けど、歌は長いよ。」

14 君のその手を

志穂「どう?」
一晴「ありがたいね。今まで、こんな歓声受けたの初めて。もう1回出てきてい
    い?」
志穂「いいよ。じゃあ、みんな『一晴』って言ってくれる?
      『I』の6曲目に入っている『replay』を作曲した、藤原一晴です。」
客  「せーの、スケベー!」
一晴「何で分かったの?」
志穂「この男、スケベじゃなくって、エロおやじだから。
      で、何で遅刻したの?」
一晴「そう、今日何で遅刻したか聞いてくれる?」
志穂「うん、聞く聞く。」
一晴「午後3時30分に集合する予定だったのに、起きたら3時30分で、それから
    急いで向かったんですけど、途中でJRがハイジャックされて、やっと渋谷
    に着いたら公園通りの前が滝になっていて・・・。
      藤原一晴はいつも時間厳守なんですが。」
志穂「あなた、時間通りに来たことなじゃない。
      この人、若く見えているけど、あたしより年上だよ。今日のゲストの中で
    一番年上なのに、ねえ。
      一晴はコミュニティーでラジオ番組をやっていて、あたしもいつも彼の
    番組にゲストで出させてもらっているんだけど、あたしのことなんか放って
    おいて、話しまくり。もう1個、『ポアロのThe New Type Night』っていう、
    ゲスト扱いしてくれない番組があるんだけど、それと互角だね。
      そんな一晴の爆裂トークが聞けるライブがあるんだよね。」
一晴「そう、トークアンドライブだから、トークの中にライブがあるという感じ
    で。」
志穂「もうすぐなんだよね。」
一晴「5月21日に、横浜のCLUB24というライブハウスでやります。今日、出口の
    ところにチラシを置かせてもらったんで。実は今日遅刻したのも、チラシを
    刷っていたから。」
志穂「大変なんだよね、ライブって。あたしもやってみて、よく分かった。とこ
    ろで、一晴にはあたしにも何曲か作曲してもらったんだけど、『I』の中に
    一晴の曲が入っていて感動した?」
一晴「した、した。俺が曲を作って、歌ってどうだったの?」
志穂「いい曲だったわよ。ノートの詞にAメロがバッチリはまって、これは運命だ
    なって。
      さっきの『スモールライフ』もバッチリ。」
一晴「でも、さっき聞いていたら、俺が作った曲はほとんど残っていないじゃん。
    あれって『スモール人間』って曲? 『スモールライフ』って曲を出した気が
    する・・・。
      でもね、これからも菊池志穂にどんどん曲を作っていきたいと思うのよ。」
志穂「ありがとう。」
一晴「『replay』の最初の曲、歌っていい?」

と、オリジナルバージョンの『replay』を歌う一晴さん。

志穂「『replay』ともう1曲やる曲があって、そっちの『空』って曲に詞を作って
    いたの。そしたら一晴、それに当てて曲を作ってきたの。でも、聞いてみたら
    『これだ!』って感じだったんで。
      ずっと昔から、一晴にあたしの歌の曲を作ってねって話していたんだけど、
    これで約束果たせたから、もうさよなら。・・・うそぴょ〜ん。」
一晴「よし、人生リプレイで行こうよ。」
志穂「見ての通り、これから『replay』を歌うんだけど、先に言っていくね。あと
    3曲だよ。ってゆーか、みんな座っている場合じゃないし。」

ステージ前で椅子に座っていた人たちもようやく立ち上がり、オールスタンディ
ング状態となったのであった。

15 replay

「さあ、残り2曲です。思い残すことの無いように。最初にも言っていたけど、
アンコールの曲なんて用意してません。」

ここで、バンドのメンバーやゲスト、オフィストワイライトのスタッフ、エイ
ティーワン・プロデュース、そして会場に来てくれたみんなにお礼を言って、

「毎年、30になっても40になってもバースデイライブ続けたいって言っている
けど、そのためには歌もがんばっているけど、声優もかなり気合いを入れて
がんばっています。みんなの方が情報が早いんですけど、なるべく最新の情報を
ホームページの方に載せるようにがんばっていますので、これからも応援
よろしくお願いします。」

16 丘の上に行こう

この曲ではメンバーの紹介のあとに、パステルのケーキと共に3人のゲストが登
場し、みんなで「ハッピーバースデイトゥーユー」を合唱する。志穂さんには
知らせていなかったらしく、ろうそくを吹き消すと、

「この世に生まれてきて、本当に幸せ。生きれるところまで生きる。みんなあり
がとう。パステルはうまいんだよなあ。」

と大喜びだった。そして、

「ちょっと待って、みんなまだ曲終わっていないから。」

と、続きを歌う志穂さん。

17 きみとぼくのうた

「3回目のすばらしいライブ、本当に楽しかった。今日はみんな集まってくれて、
本当にありがとう。本当は泣きたいところだけど、泣かないのがあたしのいいと
ころ。」

再度、ゲストとメンバーの紹介をして、

「盛り上がって大分時間が経っているので、気を付けて帰ってください。
  おうちに帰るまでがライブです。いつも言っていますが、玄関を開けて1歩足を
踏み入れるまでがライブです。浮き足立っちゃうのも分かりますが、このあと
甘太郎に行くもよし、白木屋に行くもよし、山手線に乗るのもよし、とにかく
気を付けて。明日はゴールデンウィーク最後なので、ゆっくり休んでください。」

と言うと、ステージの奥に消えていった。

アンコールが無いと言われていたにもかかわらず、やはり我慢しきれなかったの
か、「アンコール」の合唱が始まる。しばらくすると、ステージ上にマイクを持
った志穂さんが登場して、

「さあさあ皆さん、お帰りの時間です。もう十分に歌った、あたしも。最後まで
付き合ってくれてありがとう。」

と言いつつ、アカペラで「きみとぼくのうた」を少し歌ってくれた。

「名残惜しいのはやまやまですけど、遅くなってしまうので、これで終わりに
しましょう。
  今日もらった『おめでとう』の気持ちを、『ありがとう』の気持ちで返せる
ように、日々努力しますので、みんなも頑張ってください。
  あたしのファンは成績優秀、礼儀正しくって、あたしも鼻が高いわ。みんなも
そのことを肝に銘じて帰ってください。」

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